「どこから来て、どこで止まっているか」を確かめる
「開業月は内覧会とチラシの効果で忙しかったが、3か月目に入って新患が落ち着いてきた。広告を始めるべきか」「Googleマップの閲覧数は増えているのに、電話が増えない」――開業後3か月は、開業直後の告知の効果が一巡し、医院の実力に近い数字が見え始める時期です。ここで感覚に頼って施策を足すと、何が効いているのか分からないまま費用と手間が増えていきます。本記事では、開業後3か月で振り返る項目、新患数・来院経路・予約・電話・Googleビジネスプロフィール・Search Console・口コミのデータの集め方、開業直後の数字の読み方、よくある課題パターンと最初の打ち手、振り返り会議の進め方、半年・1年の計画への落とし込みまでを整理します。
開業後3か月の集患振り返りとは、開業日から記録してきた新患数・来院経路・予約・電話・Googleビジネスプロフィールや検索の反応・口コミを1枚にまとめ、患者がどの経路から来て、どこで受診に至らずに止まっているかを確かめて、次の3〜6か月の打ち手を決める作業です。施策を増やす前に、受け皿の詰まりを直すことが優先です。
- 新患数を、来院のきっかけ(Googleマップ・検索・看板・チラシ・紹介など)と曜日・時間帯で分けて見る
- 「知る→確かめる→予約する→来院する」の各段階の数字を並べ、どこで止まっているかを探す
- 開業直後の告知の山や季節の影響を差し引いて、1か月単位の推移で判断する
- 打ち手は3つ程度に絞り、担当と期限を決め、半年・1年の計画に組み込む
- 開業後3か月は、内覧会やチラシなど開業時の告知の効果が一巡する時期。Googleのヘルプによると、開業後はプロフィールに「最近開店したお店」のタグが90日間表示されるため、その表示が終わる時期とも重なる
- 振り返る領域は、患者数、来院経路、予約と電話の導線、オンラインの接点(Googleビジネスプロフィール・公式サイト・検索)、口コミ、受付と運営の6つ
- Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスの検索指標は月初に更新され、表示まで5日ほどかかることがあるとGoogleは説明している。月の初めに前月分をまとめて記録する
- よくある課題は「地図で見られているが電話や経路が少ない」「サイトに来ているが予約が少ない」「電話がつながらない」「口コミで受付や待ち時間を指摘される」など。多くは広告より先に、受け皿の改善で対応できる
- 口コミの依頼で満足した人だけを選ぶ、ビジネス名にキーワードを足すなど、数字を急いで上げるための規約違反の施策はとらない
開業後のGoogleマップと公式サイトの数字を、第三者の目で見直したい方へ
Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス、公式サイトの予約導線、口コミの傾向を確認し、どの段階で患者が止まっているかと、最初に直す箇所を整理します。
無料MEO診断の内容を見る →最終確認日:2026年10月15日。Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス、Search Console、GA4の指標や表示の仕様は更新されることがあります。本記事は運用情報であり、集患の効果、検索での表示や順位を保証するものではありません。
WHY 90 DAYSなぜ開業後3か月で振り返るのか
開業後3か月は、開業時の告知の効果が落ち着き、医院の通常の集患の姿が見え始める時期です。1か月目の数字は内覧会やチラシ、開業の話題で膨らみやすく、それだけで判断すると、施策の効果を過大にも過小にも見誤ります。
開業直後の数か月には、次のような「一時的な要因」が重なっています。
- 内覧会、チラシ、看板の設置など、開業時の告知が集中する
- 近隣の住民の「新しい医院に行ってみよう」という関心が高い
- Googleのヘルプによると、開業後はプロフィールに「最近開店したお店」のタグが90日間表示される
- 前の医療機関から移ってくる患者の受診が、開業直後に集中することがある
3か月分の記録があれば、こうした要因を差し引いて、月ごとの推移を比べられます。また、開業から半年、1年に向けて、季節の需要の変化に備えた計画を立てる時期としても適しています。開業後3か月までの記録の取り方はクリニック開業の集患スケジュール、Googleマップと公式サイトの開業後の観察は開業前3か月〜開業後3か月のMEOロードマップで扱っています。
REVIEW ITEMS振り返る項目|6つの領域
振り返る項目は、患者数、来院経路、予約と電話の導線、オンラインの接点、口コミ、受付と運営の6つの領域に分けると、抜けなく確認できます。数字だけでなく、受付で聞いた声や現場の困りごとも同じ表に並べます。
| 領域 | 主な指標 | 取得元 | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| 患者数 | 新患数、再診数、曜日・時間帯別の患者数 | レセプトコンピュータ、予約システム | 月ごとの推移、曜日や時間帯の偏り |
| 来院経路 | 「何で知りましたか」の回答 | 問診票(紙・Web) | Googleマップ・検索・看板・チラシ・紹介・内覧会の比率と推移 |
| 予約と電話の導線 | Web予約数、予約完了率、電話件数、つながらなかった時間帯 | 予約システム、GA4、電話の記録 | 予約の途中で離脱していないか、電話が集中する時間帯 |
| オンラインの接点 | Googleビジネスプロフィールの閲覧数・検索語句・通話・ルート・ウェブサイトのクリック、公式サイトの表示回数・クリック数 | Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス、Search Console、GA4 | 見られている量と、行動(電話・ルート・予約)の比率 |
| 口コミ | 件数、評価、内容の傾向 | Googleビジネスプロフィール | 受付・待ち時間・説明など、繰り返し出てくる指摘 |
| 受付と運営 | 待ち時間、問い合わせの内容、スタッフの困りごと | 受付の記録、スタッフへの聞き取り | 患者が迷う点、案内の不足 |
指標を増やしすぎると、集めることが目的になってしまいます。最初の振り返りではこの6領域で各2〜3個に絞り、続ける中で必要なものを足します。Googleビジネスプロフィールの指標の見方はパフォーマンスの見方で解説しています。
DATA COLLECTIONデータの集め方|1枚の振り返りシートにまとめる
データは、月ごとの列を3つ並べた1枚の振り返りシートにまとめます。取得元ごとに更新のタイミングが違うため、毎月の初めに前月分をまとめて転記する手順を決めておくと、担当が変わっても続けられます。
院内の記録を集計する
新患数・再診数をレセプトコンピュータや予約システムから、来院のきっかけを問診票から、電話の件数とつながらなかった時間帯を受付の記録から、月ごとに集計します。
週次の集計を月で合算Googleビジネスプロフィールの数字を記録する
パフォーマンスで期間を指定し、閲覧数、検索語句、通話、ルート、ウェブサイトのクリックを記録します。Googleは、検索指標は月初に更新され、表示まで5日ほどかかることがあると説明しています。
月の5日以降に前月分Search ConsoleとGA4の数字を記録する
Search Consoleの検索パフォーマンスで、クリック数・表示回数・CTR・掲載順位と、医院名などの主な検索語句を確認します。GA4では、予約完了と電話タップのキーイベントの数を記録します。
医院名での検索を分けて見る口コミと現場の声を書き出す
月ごとの口コミの件数と、内容の傾向(受付・待ち時間・説明・設備など)を書き出し、受付で多かった質問やスタッフの困りごとを並べます。
数字と声を同じ表に| 項目 | 1か月目 | 2か月目 | 3か月目 | メモ(要因) |
|---|---|---|---|---|
| 新患数 | ― | ― | ― | 内覧会・チラシ配布の時期 |
| 来院のきっかけ(上位3つ) | ― | ― | ― | 複数回答の扱いを統一 |
| Web予約数/電話件数 | ― | ― | ― | つながらなかった時間帯 |
| GBP:閲覧数/通話/ルート/サイトクリック | ― | ― | ― | 情報の更新日 |
| Search Console:医院名でのクリック数 | ― | ― | ― | 看板・チラシの影響 |
| 口コミ件数と主な指摘 | ― | ― | ― | 返信の状況 |
月次の記録の書式は院内で作るMEO月次レポート、電話タップの計測はGA4で電話タップを計測する方法、医院名などの検索語句の見方はSearch Consoleで地域キーワードを見る方法で扱っています。
READING DATA開業直後の数字の読み方と誤解しやすい点
開業直後の数字は、件数が少なく、一時的な要因の影響を強く受けます。月ごとの増減に一喜一憂せず、告知の時期や季節の要因をメモに残し、3か月の流れと各段階の比率で読みます。
| 誤解しやすい見方 | 実際に起きていること(の可能性) | 読み方 |
|---|---|---|
| 「1か月目より新患が減った。集患がうまくいっていない」 | 開業時の告知と関心の高まりで1か月目が膨らんでいた | 2か月目と3か月目の比較、再診数の伸びを合わせて見る |
| 「チラシで知った人が少ない。チラシは効果がない」 | チラシを見て医院名で検索し、「インターネット」と答えている | 問診票の複数回答の扱いと、医院名での検索数の動きを合わせて見る |
| 「Googleマップの閲覧数が増えた。成果が出ている」 | 見られているが、電話やルートなど行動につながっていない | 閲覧数に対する通話・ルート・サイトクリックの比率を見る |
| 「掲載順位が上がらない」 | 検索する場所や人によって表示は変わる | 順位より、予約や電話などの成果の推移で判断する |
| 「低評価の口コミが1件。対策が必要」 | 件数が少ない時期は1件の影響が大きく見える | 内容が事実か、繰り返し出る指摘かで判断し、返信と院内の改善を分ける |
数字が動いた理由を探すときは、同じ時期に何を変えたかの記録が欠かせません。診療時間の変更、写真の追加、チラシの配布、看板の設置などを日付つきで残しておくと、数字の変化と照らし合わせられます。記録の取り方は変更履歴テンプレートで紹介しています。
PATTERNSよくある課題パターンと最初の打ち手
開業後3か月の振り返りで見つかる課題の多くは、「知ってもらえていない」より「知った人が受診まで進めていない」ことです。広告などで認知を増やす前に、どの段階で止まっているかを特定し、受け皿の改善から手をつけます。
| パターン | 考えられる原因 | 最初の打ち手 |
|---|---|---|
| 地図での閲覧は多いが、通話・ルートが少ない | 写真や説明文で診療内容が伝わらない、診療時間が分かりにくい、口コミへの返信がない | 外観・受付・待合の写真、説明文、診療時間、予約リンクを見直す |
| 公式サイトへの訪問はあるが、予約完了が少ない | 予約ボタンが見つけにくい、予約フォームの入力が多い、初診と再診の分岐が分かりにくい | 予約導線を点検し、フォームの項目と案内を見直す |
| 電話がつながらない時間帯がある | 診療開始直後や昼休み明けに電話が集中している | Web予約への誘導、電話で受ける内容の整理、受付の人員配置を見直す |
| 特定の曜日・時間帯だけ患者が少ない | その時間帯に診療していることが伝わっていない、通いやすい層に届いていない | 診療時間の表記を各媒体で確認し、その時間帯の案内を強める |
| 口コミで受付や待ち時間の指摘が続く | 受付の案内、待ち時間の見通しの伝え方に課題 | 受付の対応と待ち時間の案内を改善し、口コミには方針に沿って返信する |
| 来院のきっかけが紹介に偏り、地図・検索が少ない | Googleビジネスプロフィールや公式サイトの情報が不足している | カテゴリ、サービス、診療内容のページを整える |
予約導線の点検は予約ページの改善チェックリスト、電話とWebの分担は電話予約とWeb予約の役割分担、待ち時間の案内はクリニックの待ち時間対策、受付の改善はクリニックの接遇改善で扱っています。患者数そのものが想定より大きく少ない場合の原因の切り分けは患者数が減ったときの原因分析の考え方が参考になります。
REVIEW MEETING振り返り会議の進め方
振り返り会議は、院長・事務長・受付リーダーなど、数字と現場の両方が分かる人で行います。事実の共有、原因の仮説、打ち手の決定、担当と期限の確認の順に進め、決めたことを記録に残します。
事実を共有する(15分)
振り返りシートを見ながら、6つの領域の数字と現場の声を確認します。この段階では原因の議論をせず、何が起きているかだけを共有します。
評価より事実止まっている段階と原因の仮説を出す(15分)
「知る→確かめる→予約する→来院する」のどこで止まっているかを決め、考えられる原因を挙げます。受付スタッフの気づきが手がかりになることが多くあります。
現場の声を聞く打ち手を3つに絞り、担当と期限を決める(15分)
効果が見込め、院内で実行できるものを3つ程度に絞ります。それぞれに担当者、期限、効果を確かめる指標を決めます。
増やしすぎない記録して次回に確認する
決めた打ち手と、実行した日を変更履歴に残し、次の月次の確認で効果を見ます。うまくいかなかった打ち手も記録に残します。
次回の最初に確認会議の時間は1時間以内を目安にし、毎月の確認は短く、3か月ごとに今回のような振り返りを行うと、負担を抑えて続けられます。患者の声を集める方法は患者満足度調査(アンケート)のやり方で扱っています。
6-12 MONTH PLAN半年・1年の計画への落とし込み
振り返りで決めた打ち手は、開業後4〜6か月と7〜12か月の2つの期間の計画に組み込みます。受け皿の改善を先に終え、その後に再診の仕組みや地域との連携、必要に応じた広告など、効果を測りながら施策を広げます。
| 期間 | 重点 | 主な取り組み | 確かめる指標 |
|---|---|---|---|
| 4〜6か月 | 受け皿の改善を終える | 予約導線・電話対応・Googleビジネスプロフィールの情報・受付の案内の改善 | 予約完了数、通話・ルートの比率、口コミの指摘の変化 |
| 4〜6か月 | 継続受診の仕組み | 次回予約の取り方、説明資料、リマインドの整備 | 再診数、予約の無断キャンセル |
| 7〜12か月 | 季節の需要への備え | 予防接種や健診など、季節の診療の案内を前もって準備 | 該当する診療の予約数 |
| 7〜12か月 | 認知の拡大(必要な場合) | 地域連携、チラシや看板の追加、広告の検討(計測の準備が前提) | 来院のきっかけ別の新患数、新患1人あたりの費用 |
継続受診の仕組みは再診率・継続受診を高める方法、地域の医療機関との連携は紹介患者を増やす病診連携、チラシの効果測定はクリニックのチラシ・ポスティングで扱っています。集患施策の全体の選び方はクリニックの集患方法の一覧を参照してください。
GUARDRAILS振り返りの後にやってはいけないこと
数字が思うように伸びないと、短期間で数字を上げる方法に目が向きがちです。しかし、Googleのポリシーや医療広告の規制に反する施策は、プロフィールの停止や行政の指導につながるおそれがあり、開業初期に積み上げた信頼を損ないます。
- 受診したすべての患者に、同じ方法で口コミの投稿を案内する
- 写真・説明文・診療時間など、事実の情報を充実させる
- 口コミに、プライバシーに配慮して返信する
- 予約導線と受付の対応を改善する
- 計測を整えてから広告を小さく試す
- 満足した人だけを選んで口コミを依頼する
- 特典と引き換えに口コミを依頼する、スタッフや知人に投稿を頼む
- ビジネス名に地域名や診療内容のキーワードを足す
- 「地域No.1」「最新」など根拠のない表現で目立たせる
- 計測のないまま広告費を増やす
口コミの依頼の正しい方法はGoogle口コミを依頼する方法、満足者だけに依頼する問題はレビューゲーティングはNG、ビジネス名の考え方はGoogleビジネスプロフィールのビジネス名で解説しています。
COMMON MISTAKES開業後の振り返りでよくある失敗6つ
開業時の告知で膨らんだ数字です。2か月目と3か月目の推移で判断します。
来院のきっかけや電話件数は後から集められません。開業日から記録します。
予約や電話で止まっていると、広告で人を集めても受診につながりません。
何が効いたか分からなくなります。3つ程度に絞り、担当と期限を決めます。
見られていても行動につながらなければ意味がありません。予約や電話で判断します。
患者が迷う点は受付が一番知っています。数字と声を同じ表に並べます。
関連ページも同時に確認
FAQよくある質問
開業後、新患数が落ち着いてきました。広告を始めるべきですか?
振り返りには、どのデータを用意すればよいですか?
来院のきっかけで「インターネット」と答える人が多く、詳しく分かりません。
Googleマップの閲覧数は増えているのに、電話が増えません。
振り返りは、どのくらいの頻度で行えばよいですか?
開業後3か月で口コミが少ないのは問題ですか?
振り返りで決めた打ち手の効果は、いつ判断すればよいですか?
SUMMARYまとめ|経路と止まる場所を確かめ、受け皿から直す
今日から進めるならこの順番
開業後3か月の振り返りは、新しい施策を探す場ではなく、すでに医院を知った人が受診までたどり着けているかを確かめる場です。来院の経路と止まっている段階を数字と現場の声で特定し、受け皿の改善から順に手を打てば、半年・1年の集患の土台が固まります。地図での見え方を含めた全体像はクリニックMEO完全ガイドにまとめています。
開業後のGoogleマップと公式サイトで、患者が止まっている段階を確認します
Googleビジネスプロフィールの情報とパフォーマンス、公式サイトの予約導線、口コミの傾向を照合し、受け皿で直すべき箇所を優先順位付きでお渡しします。
無料MEO診断の案内を見る →- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネスの開業日を追加する」(開業後の「最近開店したお店」のタグ。2026年10月15日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスについて」(指標の種類、検索指標の更新時期。2026年10月15日確認)
- Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果)」(クリック数・表示回数・CTR・掲載順位。2026年10月15日確認)
- アナリティクス ヘルプ「キーイベントを作成または変更する」(2026年10月15日確認)
- Google マップ「禁止または制限されているコンテンツ」(2026年10月15日確認)
本記事は一般的な運用情報であり、集患の効果、Googleによる表示や検索順位を保証するものではありません。
対象:開業後おおむね3か月から1年のクリニック・診療所における集患の振り返りと計画。個別の表現が医療広告規制に適合するかの判断は、所管の保健所または専門家にご確認ください。

コメント