院ができるのは「本人の手順を案内する」まで
「勢いで書いてしまった。消してほしい」「名前が出ているのが怖くなった」「内容を直したい」。受付や電話で患者本人からこう相談されたとき、院が代わりに消すことはできません。できるのは、投稿者本人が自分の口コミを編集・削除する手順を正しく案内することと、院側の返信をどう扱うかを決めることです。本記事では、公式ヘルプに沿った本人による編集・削除の手順、院側が代行できないこと、返信の扱い、院内での対応記録を整理します。
- 公式ヘルプでは、投稿したクチコミは自分で削除するまでGoogleマップに表示され、投稿後も編集や変更ができるとされている。編集・削除ができるのは投稿者本人だけ
- 本人による手順は、Googleマップのメニューから「自分の投稿」→「クチコミ」を開き、該当の口コミの「その他」アイコンから「クチコミを編集」または「クチコミを削除」を選ぶ
- 院側が代行できることはない。患者のアカウントでのログイン補助、端末の操作、Googleへの「本人の依頼による削除」の申請はできない
- ポリシー違反により削除された口コミは復元できない、と公式ヘルプに記載がある。本人が削除した場合も同様に扱う前提で案内する
- 院内では、相談の日付・内容の要旨・案内した内容だけを記録し、口コミの本文や投稿者の詳細は残さない
受付が迷わない「患者本人からの口コミ相談」の対応ルールを整えたい方へ
本人への案内文面、院がしてはいけないことの線引き、返信の扱い、記録の形式を、院内ルールブックに組み込める形で整理します。
無料MEO診断の内容を見る →最終確認日:2026年9月16日。Googleマップの口コミの編集・削除の手順、画面の名称、ポリシーは更新されることがあります。患者に案内する際は、その時点のマップ ヘルプの記載をご確認ください。
WHO誰が口コミを消せるのか
Googleマップ ヘルプ「Google マップでクチコミと評価を追加、編集、削除する」では、投稿したクチコミは、ご自身で削除するまでGoogleマップに表示され、クチコミとそこに含めた評価や写真は、投稿後も編集したり変更したりできるとされています。つまり、編集・削除の権限は投稿者本人のアカウントにあります。
| 立場 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 投稿者本人 | 自分の口コミの編集・削除 | 他人の口コミの操作 |
| 院(ビジネスオーナー) | 返信、ポリシー違反の報告 | 口コミの削除・編集、本人の代わりの操作 |
| ポリシー違反の審査と削除 | 本人や院の希望だけを理由にした削除 | |
| 他の患者・第三者 | 閲覧、「役に立った」の評価、ポリシー違反の報告 | 削除・編集 |
院ができるのは、返信とポリシー違反の報告だけです。本人が「消してほしい」と言っても、院がGoogleに「本人の希望なので消してください」と申請する手続きはありません。ポリシー違反の報告は、内容が違反に該当する場合に限られ、本人の希望とは別の基準です。報告の考え方は削除依頼の手順をご覧ください。
患者が自分の口コミを消すかどうかは本人の判断です。院が「消してほしい」「残してほしい」と働きかけることは、どちらの方向でも口コミへの関与にあたります。院の役割は、本人が希望したときに正しい手順を案内することに限ります。
HOW TO本人による編集・削除の手順(公式ヘルプ)
公式ヘルプに記載されている、パソコンでの手順の要旨です。スマートフォンのアプリでは画面の配置が異なりますが、「自分の投稿」から辿る流れは共通です。
Googleマップを開き、口コミを投稿したアカウントでログインする
投稿に使ったGoogleアカウントでログインしていることが前提です。別のアカウントでは、自分の口コミとして表示されません。
投稿時のアカウントを確認メニューから「自分の投稿」を開く
左上のメニューアイコンから「自分の投稿」を選び、「クチコミ」をクリックすると、自分が投稿した口コミの一覧が表示されます。
一覧に該当の口コミがあるか確認該当の口コミの「その他」アイコンを開く
編集または削除したい口コミの横にある「その他」アイコンをクリックします。
院名を確認してから「クチコミを編集」または「クチコミを削除」を選ぶ
指示に沿って進めます。公式ヘルプには、クチコミを編集すると最終編集時の日付がクチコミの投稿日として表示される、との記載があります。
編集は日付が更新される公式ヘルプには、ポリシー違反により削除されたクチコミは復元できないとの記載もあります。本人が削除した口コミについても、復元できない前提で案内するのが安全です。「一度消して書き直す」つもりの患者には、削除ではなく編集を案内します。
CASES相談の場面別の対応
| 相談の内容 | 院の対応 | 注意 |
|---|---|---|
| 「勢いで低評価を書いた。消したい」 | 本人による削除の手順を案内する | 「消してください」とも「残してください」とも言わない |
| 「内容を直したい」 | 本人による編集の手順を案内する | 編集内容には関与しない。院の希望を伝えない |
| 「名前が表示されているのが怖い」 | 本人による削除・編集の手順と、Googleアカウントの表示名の設定を案内する | 院側で表示名を変えることはできない |
| 「消し方が分からない。やってほしい」 | 手順を書いた案内文を渡す。操作は本人が自宅などで行う | 院の端末や受付で本人のアカウントにログインさせない |
| 「家族が書いた口コミを消したい」 | 投稿した本人(家族)が操作する必要があると伝える | 家族であっても本人以外は操作できない |
| 「口コミを消すので、〇〇してほしい」(条件付き) | 条件には応じない。手順の案内だけ行う | 削除と引き換えの便宜はポリシー違反 |
| 「消したいが、投稿したアカウントが分からない」 | Googleアカウントの確認は本人が行う。院は関与しない | 院がアカウントの特定を手伝わない |
「消してください」と院が言えば削除の働きかけ、「残してください」と言えば口コミへの関与になります。どちらの方向にも院の希望を伝えず、手順だけを案内するのが基本です。
DON’T院がしてはいけないこと
- 本人による編集・削除の手順を、公式ヘルプに沿って案内する
- 手順を書いた案内文(紙・公式サイトのページ)を渡す
- 相談があった事実と案内した内容を記録する
- 本人が削除した後、院の返信の扱いを決める
- 院の端末で本人のGoogleアカウントにログインさせる、操作を代行する
- 本人のアカウント情報(メールアドレス、パスワード)を聞く・控える
- 「消してほしい」「残してほしい」と院の希望を伝える
- 削除と引き換えに、割引・特典・優先対応を提供する
- Googleに「本人の希望による削除」として報告する(そうした手続きはない)
- 相談の内容を、口コミへの返信で公開する
本人のアカウントを院の端末で操作することは、アカウント情報の取り扱いと、操作ミスの責任の両面で問題になります。受付で「ここで一緒にやりましょう」は避け、案内文を渡して本人が自分の端末で行う形にします。削除と引き換えの便宜は、Googleのポリシーが禁じる「否定的なクチコミの修正または削除と引き換えのインセンティブ提供」にあたります。
REPLY院の返信の扱い
口コミが削除されると、それに対する院の返信も表示されなくなります。院側で返信を削除する操作は不要です。
口コミの控えには「本人により削除」と記録し、返信文の記録はそのまま残す。
公式ヘルプによると、投稿者は返信後もクチコミを編集できます。編集後の内容と院の返信が噛み合わなくなることがあります。
返信を編集して現在の内容に合わせるか、短い定型文に差し替える。
返信の編集は、管理画面の口コミ一覧から行います。編集後も審査の対象になります。相談があった事実や「本人が消すと言っている」といった内容を、返信に書くことは避けます。返信の型は口コミ返信とプライバシー配慮、返信後の編集は高評価への返信の型で扱っています。
GUIDE案内に使える文面と資料
受付で口頭説明するより、手順を書いた案内文を渡すほうが、本人にも受付にも負担が少なく、院が操作に関与しない形を保てます。
案内文の例(受付用)
Googleマップの口コミは、投稿されたご本人のみが編集・削除できます。
当院で代わりに削除・編集することはできません。ご自身のGoogleアカウントでGoogleマップにログインし、メニューの「自分の投稿」→「クチコミ」から該当の口コミを開き、「その他」アイコンの「クチコミを編集」または「クチコミを削除」をお選びください。詳しい手順は、Googleマップのヘルプ「クチコミと評価を追加、編集、削除する」をご覧ください。なお、一度削除した口コミは復元できない場合があります。
案内文に入れないこと
- 「削除をお願いします」「ぜひ残してください」といった院の希望
- 削除や編集の見返りになる表現(次回の優先案内、割引など)
- 口コミの内容への言及や反論
- 本人のアカウント情報を院に伝えるよう求める記載
公式サイトの「よくある質問」に同じ内容のページを置き、受付から「こちらに手順があります」と案内できるようにしておくと、電話での相談にも対応できます。ページの作り方は診療科ページの設計で扱ったFAQの考え方と同じです。
RECORD院内での対応記録
相談があった事実は記録しますが、個人情報を含む文書にしないことが前提です。
| 記録する | 記録しない |
|---|---|
| 相談の日付と受けた場面(受付・電話) | 相談者の氏名・カルテ番号・連絡先 |
| 相談の要旨(削除希望・編集希望・表示名の不安など) | 口コミの本文 |
| 案内した内容(案内文を渡した、公式サイトのFAQを案内した) | 相談者のGoogleアカウント情報 |
| その後の口コミの状態(本人により削除・編集・変化なし) | 相談者と口コミの紐づけ |
| 院の返信を編集した場合はその日付 | — |
記録は、口コミ対応の記録シートに「本人相談」の分岐として加えます。月次の集計では件数だけを扱います。記録の形式は口コミ対応ルールブックの作り方、控えの残し方はプロフィール情報の控え方で扱っています。医療機関の個人情報の扱いは、個人情報保護委員会の資料と自院の個人情報保護方針に従ってください。
COMMON MISTAKESよくある失敗6つ
アカウント情報の取り扱いと操作ミスの責任が院に生じます。案内文を渡し、本人の端末で行ってもらいます。
削除の働きかけです。院の希望はどちらの方向にも伝えません。
否定的な口コミの削除と引き換えのインセンティブは、ポリシー違反です。
そうした手続きはありません。報告はポリシー違反該当時のみです。
相談の事実を公開することになります。返信は型どおりか、編集して短くします。
個人情報を含む文書になります。要旨と案内内容だけを記録します。
関連ページも同時に確認
FAQよくある質問
患者本人が「消してほしい」と言っています。院からGoogleに頼めば消えますか?
本人が操作に不慣れです。受付で一緒に操作してもよいですか?
本人が口コミを削除したら、院の返信はどうなりますか?
本人が口コミを編集したら、院の返信が噛み合わなくなりました。
「消すから、次回は待たずに診てほしい」と言われました。
家族が投稿した口コミを、患者本人が消したいと言っています。
患者本人の口コミを案内すると、Googleマップの順位に影響しますか?
SUMMARYまとめ|消せるのは本人だけ、院は手順を案内するまで
今日から進めるならこの順番
患者本人からの「消したい」という相談は、院が口コミに関与できる場面ではなく、本人の権利を正しく案内する場面です。消せるのは本人だけ、院は手順を案内するまで、どちらの方向にも希望を伝えない。この線を受付が守れていれば、患者との関係もポリシーへの適合も保てます。口コミ運用の全体像はクリニックのGoogle口コミ対策にまとめています。
受付用の案内文と、してはいけないことの線引きを、院内ルールに組み込みます
本人相談への対応、返信の扱い、記録の形式を、口コミ対応ルールブックの分岐として整理し、公式サイトのFAQ案と一緒にお渡しします。
無料MEO診断の案内を見る →- Google マップ ヘルプ「Google マップでクチコミと評価を追加、編集、削除する」(2026年9月16日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ユーザーからのクチコミを管理する」(2026年9月16日確認)
- Google マップ「禁止または制限されているコンテンツ」(2026年9月16日確認)
- 個人情報保護委員会「個人情報保護法等」(2026年9月16日確認)
本記事は一般的な運用情報であり、Googleによる表示や審査・対応の結果を保証するものではありません。
対象:日本国内のクリニックにおける一般的なGoogle口コミ運用。手順や画面は確認日時点の公式ヘルプに基づき、個別の対応結果・検索順位・医療上の判断を保証するものではありません。

コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 患者本人から「自分の口コミを消したい」と相談される場面は、本記事とは別の対応になります(患者本人による口コミの編集・削除の案内)。院が法的対応を検討するのは、Googleへの報告や型どおりの返信では対応しきれない場面です。多くの低評価は、この記事の対象ではなく、低評価口コミ対応の範囲で対処できます。金銭要求を伴う場合の初動は口コミで金銭を要求されたときをご覧ください。 […]