クリニックが移転するとき、Googleビジネスプロフィールで最初に決めるのは「新しく作り直すか、今のプロフィールを編集するか」です。Googleは所在地に変更が発生した際に新しいビジネスプロフィールを作成しないよう案内しています。同じ医院名のまま移転する場合、クチコミは自動的に移動する扱いです。作り直すと、これまでの評価と実績を自ら切り離すことになります。
- 所在地の変更でプロフィールを新規作成しない。既存プロフィールの住所を編集する
- 同じ医院名のまま移転する場合、クチコミは自動的に移動する扱い(一部業種を除く)
- オーナー確認後に住所が変わった場合、再度のオーナー確認が必要になる
- 旧住所へ「閉業」マークを付けるのは、移転ではなく営業を終了した場合の操作
- 住所は番地まで、建物名・階数・部屋番号まで入力する
最終確認日:2026年8月26日。Googleビジネスプロフィールの画面・機能・ポリシーは更新されることがあります。操作時は実際の管理画面とGoogle公式ヘルプもあわせて確認してください。
CONCLUSION結論|移転しても新しいプロフィールを作らない
移転を控えたクリニックから最も多い相談が、「新しい場所なのだから、Googleマップの情報も新しく登録し直すべきか」というものです。Googleのヘルプは、所在地またはオーナー権限に変更が発生した際に新しいビジネスプロフィールを作成しないよう案内しています。既存のプロフィールを残したまま、住所項目を編集するのが基本操作です。
理由は大きく二つあります。一つはクチコミです。Googleは、新しい住所に移転し、移転後も同じビジネス名を使用する場合にはクチコミが自動的に移動されると説明しています(ホテルなど一部の業種は除外)。つまり、医院名を変えずに既存プロフィールを編集すれば、患者が書いたクチコミを手放さずに済みます。逆に新規作成すると、新しいプロフィールはクチコミゼロからのスタートになります。
もう一つは重複です。旧住所のプロフィールを残したまま新住所でも作成すると、同じ医院名のプロフィールが二つ並びます。患者はどちらが現在の診療所か判断できず、旧住所へ向かってしまうことがあります。住所を編集するだけなら、この問題はそもそも発生しません。
例外:医院名も事業内容も変わるとき
移転と同時に医院名を変えるケースでは判断が分かれます。Googleのガイドラインは、新しいビジネス名でビジネスプロフィールを作成する場合には、既存のビジネスプロフィールを閉業としてマークを付けたうえで行う必要があるとしています。ここで分かれ目になるのは、「後継の同じ診療所が場所を移したのか」か、「別の事業体になったのか」です。
医院名・診療科・開設者が実質同じで、場所だけが変わる。医療法上の手続きは別途必要ですが、Google上は同一ビジネスとして住所を編集します。
典型例:同一区内でのビル移転、騅の反対側への移転
医院名も診療科も変わり、患者から見て別の診療所になる。この場合は新規作成と旧プロフィールの閉業マークが必要になる可能性があります。
判断前に公式ガイドラインと現状を照合してください
順位の回復、審査の通過、反映までの日数などの結果は保証できません。確認済みのGoogle公式仕様と、クリニック運用上の安全な手順を分けて説明しています。また本記事はMEO運用の範囲を扱うもので、保健所への届出など行政手続きの可否・期限は管轄の窓口で必ずご確認ください。
TIMELINE移転スケジュールと作業タイミング
住所変更は、早すぎても遅すぎても患者が迷います。早く変えれば、まだ旧院で診療している期間に新住所へ案内してしまいます。遅ければ、移転後も旧院へ患者を送り続けます。Googleは、プロフィールの変更が反映されるまで通常は10分ほどとしながら、最大30営業日かかる場合があると案内しています。反映の遅れを前提に逆算してください。
| 時期 | Googleプロフィールでの作業 | 同時に確認すること |
|---|---|---|
| 移転1ヶ月前 | まだ住所は変えない。現状の全項目をスクリーンショットで保存 | オーナー権限の所在。退職者のアカウントが残っていないか |
| 移転2ー3週間前 | 投稿機能で移転予定を告知する(住所項目は未変更) | 公式サイトに移転告知ページがあるか |
| 旧院最終診療日の直後 | 住所を新住所へ編集する。地図ピンも確認 | 再度のオーナー確認を求められる前提で人員を確保 |
| 移転作業期間中 | 休診期間の長さに応じて特別営業時間または一時休業を使い分ける | 電話番号が転送されているか |
| 新院開診日 | 通常の診療時間へ戻す。外観・入口写真を差し替える | 予約リンクの遷移先が新院の予約ページか |
| 開診1ー2週間後 | 検索・マップでの表示と経路案内を実機で確認 | 旧住所の残存情報や重複プロフィールがないか |
住所の編集タイミングは「旧院の最終診療日の直後」を推奨します。
反映に時間がかかる場合がある一方で、早めに変えすぎると、まだ旧院で診療を続けている期間に患者を新住所へ案内してしまいます。リスクの向きが逆なので、両方を比べて院内で決めてください。
5 STEPS住所変更の実務5ステップ
操作自体は数分で終わります。難しいのは操作ではなく、変更の順序と記録です。一度に複数項目を変えると、後で表示が崩れたときに原因を切り分けられなくなります。
変更前の状態を丸ごと保存する
管理画面の全項目、検索結果、マップ上のピン位置、クチコミ件数と平均評価を同じ日に記録します。移転後に「何が変わったのか」を話すための基準点になります。
記録:全項目・撮影日・担当者
オーナー権限を先に整える
住所変更は再度のオーナー確認につながるため、確認作業をできる人がオーナー権限を持っている状態にしておきます。退職したスタッフや外部業者が唯一のオーナーのままだと、移転当日に手が止まります。
確認:オーナーは院内の人か
住所項目だけを編集する
ビジネスプロフィールを開き、「プロフィールを編集」→「所在地」から住所を更新します。番地まですべて入力し、建物名・部屋番号・階数などの部屋情報も含めます。この回は名前やカテゴリを同時にいじらないこと。
操作:プロフィールを編集 → 所在地
地図ピンと入口を合わせる
住所文字列が正しくても、ピンが建物の反対側や隣の区画に落ちることがあります。Googleは番地が見つからない場合に地図上でピンを直接指定できると案内しています。ランドマークの表現を住所欄に書くのは避けます。
確認:徒歩経路が入口に着くか
再確認と反映を見守る
保存後は連続して編集せず、審査ステータスと通知を確認します。再度のオーナー確認を求められた場合は、指示された方法で進めます。反映は通常数分ですが、最大30営業日かかる場合があるとされています。
禁手:審査中の繰り返し修正
住所を編集しても使えないケース
移転先が自院の診療拠点として実体を持たない場合は、そもそも掲載対象から外れます。Googleは、私書箱や遠く離れた場所に設置された郵便受けを住所として使用するビジネスを掲載対象外としており、郵送先住所を借りているだけで実際にはその住所でサービスを提供していないケースも同様としています。また、掲載の前提は営業時間内に顧客と直接対応するビジネスであることです。内装工事中でまだスタッフがいない新住所を、開診前から早々に登録するのは避けてください。
OLD LOCATION旧住所・旧プロフィールの扱い
移転後に一番事故が起きるのがここです。「旧院はもうないのだから閉業にしよう」と考えてしまいがちですが、住所を編集した場合、閉業マークを付ける対象のプロフィールはもう存在しません。同じプロフィールが新住所を持っている状態だからです。ここで閉業マークを付けると、移転先の情報ごと閉業扱いになります。
- 分院を閉鎖し、その拠点での診療を完全に終了した
- 院長交代などで医院名も診療内容も変わり、新しいビジネス名でプロフィールを作る場合
- 過去に誰かが誤って作成した、実体のない旧住所のプロフィールが別途残っている
- 同じ医院名のまま住所だけが変わる通常の移転
- 移転を知らせる目的で、旧プロフィールを残して閉業表示にする
- 内装工事など一時的な休診期間を閉業として登録する
- 新住所で別プロフィールを新規作成し、旧を閉業にする
Googleは閉業マークを、ビジネスが完全に営業を終了した場合の操作として説明しています。また、閉業マークを付けてもプロフィールがGoogle検索とGoogleマップに引き続き表示される場合があり、検索ユーザーには閉業していることが明示されます。「閉業にすれば情報が消える」という前提での運用は、想定と違う結果になります。
旧住所の情報がどこかに残っていないか
プロフィールを正しく編集しても、旧住所は別の場所に残ります。公式サイトのフッターとアクセスページ、予約システムの院情報、SNSのプロフィール欄、医療機関検索サイトや地域ポータルの掲載、診察券や問診票の印刷物。これらが旧住所のままだと、Google上の情報と不一致な状態が続き、患者の混乱も続きます。医院名で検索し、上位に出てくるページを上から順に確認して、修正依頼先の一覧を作ってください。
DOWNTIME移転前後の休診表示の使い分け
移転には必ず診療を止める期間ができます。この期間の表示を放置すると、営業中と表示されたまま患者が電話し、つながらないという体験になります。Googleには休業を伝える手段が複数あり、休む日数で使い分けます。
| 休診期間 | 使う機能 | Googleの案内 |
|---|---|---|
| 1ー6日の連続休診 | 特別営業時間 | 一時的な営業時間の変更や、連続して最長6日間の休業の場合に設定する |
| 7日以上の連続休診 | 一時休業マーク | 8日間以上休業する場合・オフシーズンに休業する場合・無期限に休業する場合に使用 |
| 営業の完全終了 | 閉業マーク | ビジネスが完全に営業を終了した場合に使用する |
特別営業時間には、て1つの設定は24時間以内という制約があります。また、特別営業時間を設定しても通常の営業時間を変更する必要はなく、指定した日付にのみ特別営業時間が表示されます。休診日として登録する場合は、対象日の「休業」チェックボックスがオンになっていることを確認します。
閉院を意味するマークと、一時的な休診を意味するマークを取り違えないこと。
内装工事で二週間休むだけなのに閉業マークを付けてしまうと、患者には「この医院はなくなった」と伝わります。長期休診なら一時休業を選び、開診日に応じて戻してください。
休診中でも「どこへ連絡すればよいか」を残す
休診表示は「今は診られない」という事実を伝えるだけで、患者の困りごとを解決しません。投稿機能で移転日程と新住所を告知し、公式サイトの移転ページへ導線をつなぐと、休診中の問い合わせを減らせます。緊急時の受診先を案内する場合は、医学的な判断に踏み込まず、自治体や医師会の救急情報窓口など公的な案内への誘導にとどめるのが安全です。
COMMON MISTAKESよくある失敗と直し方
クチコミが引き継がれず、同名のプロフィールが並びます。重複を解消し、元のプロフィールを編集する方向へ戻します。
再確認や表示変化が起きたときに原因を特定できません。変更単位を小さくし、間をあけて進めます。
外観や入口の写真が旧院だと、到着した患者が建物を見つけられません。開診日に合わせて差し替えます。
遷移先が削除済みページだと予約が止まります。リンク先を実際にタップして確認します。
再確認のコードや通知を受け取れません。移転作業の前に権限を整理しておきます。
スタッフ不在の期間に患者が訪問してしまいます。対面対応できる状態になってから反映させます。
CHECKLIST移転前後のチェックリスト
住所編集の前に
- 現在の全項目を画面保存した
- オーナー権限を院内の人が持っている
- 新住所を番地・建物名・階数まで確定した
- 新院の開診日と休診期間を確定した
- 公式サイトの移転告知ページを公開した
- 電話番号の変更有無と転送を確認した
住所編集の後に
- 検索とマップの表示を実機で見た
- 地図ピンが入口側にある
- 経路案内で新院に到着できる
- 再度のオーナー確認の有無を確認した
- 写真・予約リンク・診療時間を更新した
- 同名の重複プロフィールがない
移転の記録は「前・後・根拠」を一組で残す
移転は数週間にわたる作業で、担当者も複数になりがちです。作業日、担当者、変更前の値、変更後の値、判断に使った公式情報、反映を確認した日時を一組で残してください。再確認を求められたときや、思ったように表示されないときに、どの操作が関係しているかを一つずつ切り分けるための記録です。
作業をいったん止める条件
保存後に、プロフィールの停止、身に覚えのない住所や電話番号への変更、第三者による編集、別院へのリンク、患者情報の露出を見つけた場合は、追加の編集を止めます。現在の画面と通知を保存し、直前の変更と公式ガイドラインを照合してください。
関連ページも同時に確認
FAQよくある質問
移転するとクチコミは消えますか?
住所を変えたらオーナー確認をやり直しになりますか?
旧住所に「移転しました」と表示させられますか?
同じビルの別フロアへの移転でも作業は必要ですか?
移転で順位は下がりますか?
内装工事中はどの表示にすればよいですか?
SUMMARYまとめ|編集で引き継ぎ、記録で切り分ける
移転はMEOのリセットではなく、引き継ぎの作業です。これまでいただいたクチコミ、蓄積された情報、患者からの認知を残したまま場所を移すのが目的です。作り直す方が手っ取り早く見える場面こそ、一度立ち止まって、公式の案内と自院の実態を照らし合わせてください。
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ:ビジネス拠点の住所を管理する(2026年8月26日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ:ビジネス プロフィールを編集する(2026年8月26日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ:ビジネス プロフィール間でクチコミを管理する(2026年8月26日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ:Google に掲載するビジネス情報のガイドライン(2026年8月26日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ:ビジネスの適格性とオーナー権限に関するガイドライン(2026年8月26日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ:ビジネスに閉業マークを付ける(2026年8月26日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ:特別営業時間を設定する方法(2026年8月26日確認)
本記事は一般的な運用情報であり、Googleによる表示や審査結果を保証するものではありません。移転に伴う行政手続きは管轄の窓口でご確認ください。
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